(1)リサイクル建設資材を取り巻く状況
建設資材は天然資源を原料に製造され、公共工事において大量に使用・消費されてきました。その天然資源採取が環境破壊につながるなど問題視される一方、建設廃棄物の増大により、最終処分場の逼迫や不法投棄による環境問題を生み出しています。
このようなことから、資源を膨大に使用・消費する建設工事の責務は重大であり、国では、循環型社会形成推進基本法やグリーン購入法などのリサイクル関連法令の整備が図るとともに、建設リサイクル推進行動計画2002や建設副産物適正処理推進要綱などを定めて、具体的に推進する仕組みづくりを行ってきました。この中で特に公共工事においては、民間を先導する意味から、リサイクル建設資材を率先して利用することが求められています。
(2)公共工事の品質確保
公共工事は、社会基盤の礎となる公共施設を整備していることから、すべての工事で品質の確保が義務付けられており、設計指針、共通仕様書などで使用材料の品質を細かく定めています。
リサイクル建設資材は、公共工事での使用に十分耐えうる品質を備えたものが数多く生産されるようになってきていますが、その一方では、共通仕様書とリサイクル建設資材の品質規定がうまく整合しないことや、共通仕様書等の規定そのものがリサイクル建設資材の使用を想定しないことなどから、公共工事で使用することが困難な場合があります。
また、現場ごとに品質を確認して使用を判断することは、リサイクル建設資材の円滑な利用の妨げとなることが考えられます。